面接会場はNKKビル。
日本の中心地。ぶっつけで面接を受ける田舎もんには十分すぎるくらい、ちびるロケーションにありました。
ただ、だからと言ってあせってもびびっても自分には後がない。想定シミュレーション含めてやることはやった。
あとは自分を出すだけ。
SPI、作文と課題は進みます。テストは拍子抜けするほど想像以上に簡単でした。作文は目をつむっても書ける。
問題の面接。
面接官は後でわかったんですが採用人事部長のAさんとマネージャーのKさん。
両方ともリクルートでは知らぬ人がいない有名人。
採用に命をかけた江副さんが一番力を入れた採用面接。こちらは学生生活、体育会でもなければサークルの長でもまして応援団なんて学校にはない。
ないないずくしとしては求めてる人物像に沿って自分を出しながら質問の意図を汲み取り先回りして答えて行く。
温和な顔のマネージャーKさんに対して苦虫を噛み潰した顔の部長のAさん。質問してくるのはKさんばかりで部長さんは腕組みしたり、履歴書をめくったり閉じたり。
これ、立派な無言の圧迫面接じゃないですか、って今なら言えるがその頃はそんな言葉もなかったし、知らなかった。
一人ロープレは繰り返ししてきたけど、この苦虫噛み潰しリアクションは全くの想定外。上がって当然な状況だけど、後がないので必死に考える。
それでも今客観的にその時の状況を振り返ってみればグダグダだったと思います。
ソフトな質問の中でも
・なぜ、部活をやめたのか。
・サークルで取り組み目指してた事
・勉強への取り組みについて
なんて厳しいところをグイグイついてくる。
それに対して、
・サークルでやった学園祭のイベント、
・友達とチームを組んで課題対策にあたったり先輩から情報収集しテスト対策を役割を振って行なった事で自分自身分析すると、
「一人では大した事ができなかった」
けれども、
「周囲を巻き込んで」皆で目の前の課題に取り組み達成した事。
という事実を自分なりに真摯にお返事しました。そう、自分自身のすべてをさらけだすしかなかった。ダサいなりにも先輩、友達と過ごした日常を思いだしながら「自分自身の言葉」で話しました。
面接が終盤にさしかかって
Kさん「ところで酒井君、なんでリクルート志望したの?」
待ってましたよ。
まさに自分が一番伝えたかった質問が来ました。
あとはもう隻を切ったように今までの感情をぶつけました。
・CMのメッセージにいたく共鳴したこと。
・自分なりに日々問題意識はもって行動しておりそんな姿勢がリクルートなら受け入れてもらえそうなこと。
・新しい価値を世の中に投げかけ世界が変わる姿をみたいこと。
・自分も身を投げ打ってその仕事につきたいこと。
つきつめると
自分自身が一番やりたいと思ったことがリクルートにはあったこと。
一気に話したにもかかわらず丁寧に聞いていただき、そして大きくうなづかれたあとKさんが最後に僕に
そう、何か確認するようにこう聞いてこられました。
Kさん
「ところで、酒井君て友達にとってどんな存在なん?どんな風にみんなに言われてるの?」
僕
「(うつ)。。。。」
想像もしてなかった。
しまったな。。考えたこともなかった。自分は皆にとってどんな存在なんだろう。
グイグイ引っ張ってみんなをまとめて行くリーダーでも、
一目置かれる寡黙な実力者でも
黙って皆を支える縁の下の力持ちでもない。
ここで、とちったらすべてがパーになってしまいかねない雰囲気。
これはもう自分をさらけだすしかない。まっさらな自分を。
私
「あ、あの、」
Kさん
「どしたー」
私
「ムードメーカーと言いますか」
Kさん
「いうか?」
私
「あ、あ、愛されキャラです」
と告げるとKさんは声をあげておお笑いされました。
「ぶわっふぁふぁふぁ!!」
Kさん
「そっか、愛されてるんやなー、それは良かった、えーことやんかー。
うんこれで面接は終わりです。選考結果は学校までお伝えしますね」
あっけない幕引きで面接は終わりました。ただ部長のAさんは最後までほぼ一言も発しず。
(あれから社内報などでAさんの人となりを知りましたが人望厚く皆さんから大変慕われていらっしゃったそうです。)
大手町から東京駅までどうやって帰ったかもどうやって新幹線にのったかもまったく覚えてません。
ただその時窓の外から見た夕焼けが本当に悲しい色だった。
自分の人生このままどうなってしまうんだろうってただひたすら悲しくなったことを覚えています。
今でも新幹線に乗っての夕方。北に向かうともうだめですね。。
しばらくして学校あてに採用内定の電話が入るのですが聞いた瞬間にあっけに取られて気が抜けたことだけを覚えています。
スマートソーシャル 酒井